会社設立のやることリスト。初心者にもわかりやすく解説します

会社設立で必要なことをわかりやすく解説

最短で会社を立ち上げたいけれど、何から始めるべきか、費用はいくらか、どこに届け出るのか、最初に迷うのは皆同じです。

本記事は「会社設立」の全体像を、初めての方にも分かる順番で解説
必要書類・費用・スケジュールまで、今日から動ける実務情報を1本にまとめました。

会社設立とは?個人事業主との違いと法人化のメリット

個人事業主との違いと法人化のメリット

個人の延長ではなく、法的に独立した「法人」を作ることが会社設立です。

法人にすることで、責任の範囲や税務、信用力が変わり、取引や資金調達の選択肢が広がります。

会社設立の基本。なぜ法人化するのか

法人化の主な動機は、

  1. ①取引先からの信用(法人名での契約・入札・卸仕入が可能)
  2. ②資金調達のしやすさ(創業融資・補助金・投資)
  3. ③税務・社会保険の最適化(役員報酬や節税施策の設計)
  4. ④事業承継・採用ブランディング

です。

売上規模の拡大や雇用計画があるなら、初期から設計しておくと後戻りが減ります。

株式会社・合同会社・その他の形態の特徴

一般的に選ばれるのは株式会社(登記・定款認証が必要、信用が高く出資を集めやすい)と合同会社(コストが低い、意思決定が速い)。一般社団法人等は非営利目的向けで、営利事業とは要件が異なります。

会社設立で得られる社会的信用と資金調達の可能性

法人名義の口座開設、与信枠の設定、補助金・助成金の対象化など、法人格を持つだけで到達できる選択肢が増えます。

創業計画とあわせて「いつ・どこから・いくら」を見積もり、設立と同時に資金戦略まで設計しましょう。

会社設立の費用と期間

費用は会社形態と手続き方法(紙/電子)で変動します。スケジュールは「事前決定事項が固まっているか」で大きく短縮できます。

設立に必要な費用

設立に必要な費用
区分 株式会社の目安 合同会社の目安
登録免許税 資本金×0.7%(最低150,000円) 資本金×0.7%(最低60,000円)
定款認証 約30,000円+謄本手数料等 不要
収入印紙 0円(電子定款)/40,000円(紙) 0円(電子定款)/40,000円(紙)
会社実印等 5,000〜20,000円 5,000〜20,000円
合計の目安 約20万円〜 約6万円〜

株式会社(目安) と 合同会社(目安) の主な初期費用を比較します。

電子定款にすると印紙代が非課税になり、トータルコストを抑えられます。

登記は専門家代行を使うと+報酬(数万円〜)が発生します。

株式会社と合同会社のコスト比較

株式会社は初期・維持ともにコスト高めですが、資金調達・採用・対外信用で優位になりやすい。一方、合同会社は意思決定の柔軟性と低コストが強み。

BtoBの新規開拓や採用を強く意識するなら株式会社、少人数・高利益率サービスなら合同会社がフィットしやすい傾向です。

設立にかかる期間とスケジュール例

設立にかかる期間とスケジュール例
期間の目安 期間 進め方のポイント
超短期 5〜7営業日 事前に商号・目的・資本金・役員・本店・決算月が確定。電子定款→即日認証→登記申請を一気通貫。
標準 2〜3週間 定款作成、払込、登記完了、口座開設までを順番に。並行でロゴ・ドメイン準備。
余裕型 1ヶ月 会計ソフト導入、社内規程、助成金下調べを並行し、運用を安定化。

最短化の鍵は「事前決定」と「電子化」。迷うほど日数が伸びます。

会社設立に必要な書類と準備

会社設立に必要な書類と準備
 

書類準備はチェックリスト化し、抜け漏れを防ぎます。以下を先に決めておくと、工程がスムーズです。

事前に決めること

事前に決めること
項目 決め方のヒント
商号 類似商号・商標の簡易調査を事前実施。ドメイン・SNSも同時確保。
事業目的 銀行口座・許認可・助成金の観点で過不足なく。将来の事業も入れておく。
本店所在地 自宅/バーチャル/賃貸を比較。金融機関の審査目線も考慮。
資本金 初期運転資金+融資/助成金の要件を踏まえて設計。見せ金は厳禁。
役員等 役職・任期・持株比率・就業規則との整合を事前に協議。
決算月 業種の繁閑・税務の繁忙期を避ける。

必要書類の一覧

必要書類の一覧
分類 主な書類
事前 定款(電子推奨)、発起人/役員の印鑑証明書、発起人決定書、払込証明書
登記 登記申請書、就任承諾書、印鑑届書、本店所在場所決議書 など
取得 登記事項証明書、法人印鑑証明書、法人実印・銀行印

様式は法務局の最新案内を参照。電子申請の可否も確認しましょう。

設立後すぐに必要な届出

設立後すぐに必要な届出
宛先 主な届出 期限の目安
税務署 法人設立届出書、青色申告承認申請書、給与支払事務所等の開設届出書 ほか 原則:設立後すみやかに(青色は設立から3ヶ月以内等)
都道府県/市区町村 事業開始等申告書 自治体ごと
年金事務所/協会けんぽ 新規適用届、被保険者資格取得届 原則:適用事業所の成立日から5日以内 等
ハローワーク 雇用保険の適用事業所設置届 ほか 原則:10日以内 等

期限遅れは罰則や助成金不支給のリスク。最初に「提出カレンダー」を作ると安心です。

会社設立の流れ|初心者でも分かるステップ解説

初心者でも分かるステップ解説

設立〜運用開始までを「書類→登記→口座・体制」の3レーンで並行すると早く、漏れが少ないです。

定款作成と認証の流れ

目的・機関設計・公告方法などを定款に反映。電子定款なら印紙税が不要でコスト削減。公証役場で認証後、払込→登記へ進みます。

登記申請から完了までのプロセス

申請書一式を法務局へ提出。完了後に「登記事項証明書」「印鑑証明書」を取得し、口座開設や各種届出へ。専門家代行を使うと、要確認ポイントの取りこぼしが減ります。

設立後のやることリスト

銀行口座開設/会計ソフト導入/証憑の電子保存体制/社会保険・雇用保険手続き/税務届出/請求・入金・支払フロー整備/社内規程(旅費・交際費・稟議)/インボイス登録の要否判断、など。

会社設立後に直面する税務・会計・労務のポイント

最初の3ヶ月で「ルール」を決めると、その後の税務調査・資金調達の通りが良くなります。

法人税・消費税・地方税の基礎

法人税等の申告は決算期末から原則2ヶ月以内。消費税は資本金・売上等で課税/免税が分岐。地方税(法人住民税・事業税)も忘れず設計を。

社会保険・労務手続きの注意点

適用や資格取得の期限遅れは、追徴や助成金不支給リスク。雇用契約・就業規則・36協定の整備も早期に着手しましょう。

節税のポイントと失敗事例

役員報酬は「期首3ヶ月以内に固定額で決定」が原則。立替経費の精算遅れ、現金管理の杜撰さ、プライベート支出の混在は典型的な失敗です。

資金調達・補助金・助成金の活用

「いつ・どこから・いくら」を設立初月に設計し、月次でギャップをモニタリングしましょう。

創業融資の基本

日本政策金融公庫や信用保証協会の制度を中心に、創業計画書(売上根拠・原価・回収サイト)を数字で説明。自己資金の比率や、資金繰り表の現実性が重視されます。

補助金・助成金の探し方と申請の流れ

公募要領の要件→計画づくり→見積・エビデンス→申請→採択後の実績報告まで一連の管理が必要。報告不備は返還リスクになるため、証憑管理を最初から電子で。

税理士を活用した資金調達サポート

計画の整合性、月次の着地管理、資金用途のトレースを第三者が伴走することで、審査の信頼性と運用後の継続性が上がります。

よくあるトラブルと回避策

よくあるトラブルと回避策

設立直後のミスは、のちの税務・金融に尾を引きます。先回りで潰しましょう。

登記や届出の期限遅れによるリスク

期限遅れは罰則・追徴・助成金不支給の原因に。提出カレンダーと担当者のダブルチェックで回避。

社会保険未加入による罰則や助成金対象外

加入要件に該当するのに未加入だと、是正・遡及・助成金不支給。設立月から要否を判定し、早めに適用申請を。

経理・会計の初期設定ミスで起こる税務調査リスク

勘定科目の乱立、証憑の未保存、役員貸付金の発生は要注意。月次締日・支払サイト・立替精算ルールを文書化しましょう。

地域・業種別の会社設立ナレッジ

自治体の窓口・補助制度・審査のクセは地域差があります。業種要件もあらかじめ確認を。

東京・大阪・名古屋・仙台など主要都市の設立サポート事情

産業振興財団やスタートアップ支援拠点で、相談・補助金・スペース提供などのメニューあり。地域の創業支援と金融機関をセットで回ると効率的です。

不動産業の設立要件と注意点

宅建業免許、専任宅建士、事務所要件、供託金など。資本計画と免許取得のスケジュールを逆算して設計しましょう。

外国人起業や副業での会社設立のハードルと工夫

在留資格・銀行口座・英語表記の整合などを事前確認。副業は就業規則・情報管理・利益相反の回避策を会社とすり合わせておくとトラブルを避けられます。

FAQ|会社設立に関するよくある質問

自分で会社設立は可能?どこから専門家に依頼すべき?

可能です。定款電子化や登記の正確性・スピードを優先する場合は、司法書士/行政書士へ。税務・資金調達の設計は税理士の伴走が効率的です。

株式会社と合同会社のどちらが有利?

B2B開拓・人材採用・出資調達に重きを置くなら株式会社、少人数・高収益サービスで機動力を重視するなら合同会社が合いやすい傾向です。

決算月の選び方と節税効果は?

業種の繁閑、会計・税務の繁忙期を避けるのが基本。初年度は事業の立ち上がりと税務負担のバランスを見て決めましょう。

設立後いつから消費税の納税義務がある?

資本金や売上、特定期間判定で分岐します。インボイス登録の有無も取引先要件と合わせて検討しましょう。

まとめ|会社設立は「計画」と「専門家活用」が成功の鍵

設立はゴールではなくスタートです。

事前決定→電子定款→登記→口座・届出→月次運用の順で、カレンダーとチェックリストを整備。会計・税務・労務を初月から仕組み化すれば、融資や補助金の通りもよくなります。

迷ったら「クラウド会計×専門家」の伴走を選び、最短距離で立ち上げましょう。

税理士・代表取締役代表税理士
鈴木 慎吾

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